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漫画を読んだり、アニメを観たりしたときの感想をアツいうちにしたためる

アニメ「ファンタスティックチルドレン」感想

2004〜2005年あたりで放送されていたアニメ「ファンタスティックチルドレン」を今になって初めて観ました。

サムネイルが気になって、あらすじが気になって、ちょっと見てみたら作画が素晴らしくって、…そんな感じでいつの間にか全部観ました。

監督、原作、キャラデザなどは全て、なかむらたかし先生(ググって)が手掛けている圧巻の全26話。

やばい(語彙)。

設定がまず刺さる人には刺さると思うんですよ!!

数十年ごとに現れる7人の白い髪と青い瞳の子供たち。行方不明者として記録が残る、その子供たちの失踪時期は皆5歳。そして目撃記録や写真、肖像画に残る彼らの面影は、時を超えてまるで同じ人物らのように見える…?

みたいな感じの始まり方なんですよ。もう何が何だかわからないけど素敵すぎる。

彼らの名前は、最古の記録によると「ベフォールの子供たち」とされていて、何かの使命を達成するために強い意志で、何かを探しているようで……??

みたいな。青っぽい色彩と、子供たちの黒いマントが印象的な映像。

一方で、南の島にやたら活発で謎の拳法を父に習う少年トーガ。と、その近くの施設から抜け出てきた無口な少女ヘルガと、その子を慕う小さな男の子チッタ。

こっちは、オレンジ色とかピンク色とか、色鮮やかでBGMも明るくって、ヘルガがやたら悲しそうなところ以外は明るい感じ。

序盤は全然ストーリーが進まないし、ヒロインっぽい子(ヘルガ)がボンヤリしててまどろっこしいし、時系列も結構複雑で、今の時代だったら絶対放送してくれない。切られちゃうから。でもでもやっぱりこの長さで、この序盤で、しっかりと大量の伏線を敷き詰めて世界観をガッチリ固めたからこそ、伝わる衝撃がね、クライマックスがね、あるんですなぁ…。感情の描写が凄まじく凝っていてゾクゾクする演出も随所にあって……。

ネタバレは敢えてしないけど!

どんでん返しやSFが好き、そして何よりアニメが好きだったら観て損はないです。観てくれよな?

いやーこれ本当に一気に見られて良かったですよ……中盤以降で、また来週!みたいな感じに引っ張られたら1週間何も手につかないかも知れません。

本当に素晴らしかった……好き……。

 

で、やっぱり少しは内容について触れたいのでここから先は若干のネタバレ含むかも知れません。出来るだけしないようにする。

あのー、すんごいミスリードが仕掛けてあるんですよ。私最初は誘導されたんですけど、だんだん嫌な予感がしてくるんですよね。もう気付いた時点でほぼ確信なんですが、やっぱり、ツラすぎて信じたくない。

中盤以降はほぼ祈るような気持ちで見ていました。トリックに気付いてもめちゃくちゃ面白いから。

仕掛けが一気に展開して衝撃の真実が明らかになるとき、凄いのはそれだけじゃないんです。どんでん返し自体も凄いんだけど、どんでん返されるときの登場人物たちの、シーンひとつひとつの鮮やかさ。一体、何人の、何年の物語を見せられているんだろうって、呆然とするしかない。26話ですよ?こんなに内容入る?

語るべきものは語られ、不必要なものは語らない。美しいです。

圧倒的に美しくて、醜くて、悲しくて、どうしようもなくて、愚かで、愛おしい。

 

現場からは以上です。