This is KANSOU

漫画を読んだり、アニメを観たりしたときの感想をアツいうちにしたためる

アニメ「ファンタスティックチルドレン」感想

2004〜2005年あたりで放送されていたアニメ「ファンタスティックチルドレン」を今になって初めて観ました。

サムネイルが気になって、あらすじが気になって、ちょっと見てみたら作画が素晴らしくって、…そんな感じでいつの間にか全部観ました。

監督、原作、キャラデザなどは全て、なかむらたかし先生(ググって)が手掛けている圧巻の全26話。

やばい(語彙)。

設定がまず刺さる人には刺さると思うんですよ!!

数十年ごとに現れる7人の白い髪と青い瞳の子供たち。行方不明者として記録が残る、その子供たちの失踪時期は皆5歳。そして目撃記録や写真、肖像画に残る彼らの面影は、時を超えてまるで同じ人物らのように見える…?

みたいな感じの始まり方なんですよ。もう何が何だかわからないけど素敵すぎる。

彼らの名前は、最古の記録によると「ベフォールの子供たち」とされていて、何かの使命を達成するために強い意志で、何かを探しているようで……??

みたいな。青っぽい色彩と、子供たちの黒いマントが印象的な映像。

一方で、南の島にやたら活発で謎の拳法を父に習う少年トーガ。と、その近くの施設から抜け出てきた無口な少女ヘルガと、その子を慕う小さな男の子チッタ。

こっちは、オレンジ色とかピンク色とか、色鮮やかでBGMも明るくって、ヘルガがやたら悲しそうなところ以外は明るい感じ。

序盤は全然ストーリーが進まないし、ヒロインっぽい子(ヘルガ)がボンヤリしててまどろっこしいし、時系列も結構複雑で、今の時代だったら絶対放送してくれない。切られちゃうから。でもでもやっぱりこの長さで、この序盤で、しっかりと大量の伏線を敷き詰めて世界観をガッチリ固めたからこそ、伝わる衝撃がね、クライマックスがね、あるんですなぁ…。感情の描写が凄まじく凝っていてゾクゾクする演出も随所にあって……。

ネタバレは敢えてしないけど!

どんでん返しやSFが好き、そして何よりアニメが好きだったら観て損はないです。観てくれよな?

いやーこれ本当に一気に見られて良かったですよ……中盤以降で、また来週!みたいな感じに引っ張られたら1週間何も手につかないかも知れません。

本当に素晴らしかった……好き……。

 

で、やっぱり少しは内容について触れたいのでここから先は若干のネタバレ含むかも知れません。出来るだけしないようにする。

あのー、すんごいミスリードが仕掛けてあるんですよ。私最初は誘導されたんですけど、だんだん嫌な予感がしてくるんですよね。もう気付いた時点でほぼ確信なんですが、やっぱり、ツラすぎて信じたくない。

中盤以降はほぼ祈るような気持ちで見ていました。トリックに気付いてもめちゃくちゃ面白いから。

仕掛けが一気に展開して衝撃の真実が明らかになるとき、凄いのはそれだけじゃないんです。どんでん返し自体も凄いんだけど、どんでん返されるときの登場人物たちの、シーンひとつひとつの鮮やかさ。一体、何人の、何年の物語を見せられているんだろうって、呆然とするしかない。26話ですよ?こんなに内容入る?

語るべきものは語られ、不必要なものは語らない。美しいです。

圧倒的に美しくて、醜くて、悲しくて、どうしようもなくて、愚かで、愛おしい。

 

現場からは以上です。

 

アイカツフレンズ!34話までの感想

セクシー属性キャラ少なくない!?っていうのは置いといて…

 

・ハニーキャットについて

とても丁寧に描写されてていいと思います。はい。ピュアパレットより丁寧なのでは!?

欲を言えばミラクルアピールとか奇跡のドレスとか、もうちょっと説明が欲しかったです。多分説明なんかしても女児アニメ的には意味がないということなんだろうと思うんだけど、女児アニメを嗜む大きなお友達としてはちょっとモヤっとしますね。ラブミーティアが奇跡のドレスもミラクルアピールも知ってて、「ええ、まさしく奇跡のドレスでした!」みたいな反応をされても、いやぁ…そうなんですか…みたいな。せめてこう、「今までのBFRよりももっと先にあるものに辿り着け」的な伏線を…。いや、まあ、これは愛故のモニャモニャです。黙ります。

あと筐体だと出てくるミラクルオーラが出てこないのは何故なのでしょうか…見たかった…。3DCGがすごく進化しているのでこの先も期待しちゃう。そのうち出てくるかな?

 

・ピュアパレットについて

解散の流れとてもよかったです。みおちゃんのアイカツゾーン(という、また突然導入された謎の概念)からの慢心、そして一人で突っ走ってしまう描写。あいねちゃんのことを完全にフレンズとして見られていなくて、あいねちゃんは自分より劣っているのが当たり前で、自分が導くものだと。あいねちゃん、ショックだったろうなぁ。もちろん、あいねちゃんもみおちゃんに付いていくだけのレールに甘えていたんだけど、あいねちゃん自身の力を信じてくれないって…相当キツいよなあ。

そんなこんなで一回解散したけれど、ライバル度100%になれてよかったね。

一番のライバルで、一番のパートナー。アイカツのユニットに欠かせない要素ですね。お互いがお互いに負けない!って思うから最高のステージができるっていうのは、トゥインクルスターズカップを思い出します…ところで私WMも2wingSも大好きです。

 

・リフレクトムーンについて

ついに来てしまった双子ゴシックキャラ、しかもモチーフが月…!強い…。月の裏側っていう占いサイトを運営してるさくやちゃんのほうが姉で、ブランドはダークなイメージのルナウィッチ。妹の方は自分じゃなくてお姉ちゃんを引き立てたい、姉のお世話が大好きなかぐやちゃんで、ブランドは月の輝きをモチーフにしたムーンメイデン。なんかちょっと要素が逆になっているのは何故なのか…?

そもそも引っ込み思案っぽいさくやちゃんが、アイドルになろうと思った理由は何だろう。姉のさくやちゃんが、妹にもっと自信持って輝いてもらいたいってことはわかるんだけど…。その辺のエピソードを…いや、小さい頃のお話もとても良かったけど…今後期待してもいいのかしら。

 

・ラブミーティアについて

頼む〜!過去編頼む〜〜!!!お願いします。待ってます。

設定では、カレンちゃんが天才で圧倒的に華をもつ存在で、ミライちゃんが努力家でみんなと違う可愛さを大切に誰より頑張る人、みたいになっていました。でも今のところはその描写が少し足りない気がします。どっちかというと、ミライちゃんが天才、カレンちゃんが努力家に見える。

とにかくこの二人のアツさ、強さ、絆が単語(ダイヤモンド〜とか)じゃなくてエピソードでもっと示されてほしいのです。ラブミーティアを越えることの凄さが肌にビリビリ伝わってくるくらいの描写を心待ちにしてます。

 

アニメ「少女歌劇レヴュースタァライト」 考察と感想

全部見た前提でお話しします。つまり、徹頭徹尾ネタバレってことです。自衛してくださいね。

 

【キリンの存在について】

こっち見たーー!!!ってなりました。え?なんなかった?私は流石に予想外でしたよ。うわっ!て。してやられたー。

我々もまた、舞台少女の葛藤、努力の軌跡、それを全て投入し研ぎ澄ませた真剣勝負に魅入られる。つまり、キリンと同じ存在だと、そういうことを突きつけられてしまいました。

キリンは、円環の象徴だとも思っています。キリンのマークについた輪っか。輪廻のリン。くるくる回る印。本当に見たいものが眩しくて眩しくて、執拗に首を伸ばして、時々気持ち悪いまでに、少女たちの輝きをぼんぼこ燃やしながら、戦わせる。

確かに、私も、視聴者我々も、そういう存在です。こういう、お前もじゃお前も!見てるだろ!そういうキモいところだよ!みたいな指摘、エヴァでもされちゃった気がする。

思えば、アニメ中では不自然なほどに観客の描写がありませんでした。東京タワーの売店で、ヒカリと華恋が「いつのまにか人だかりがー」みたいなこと言ってた時も、誰もいなかった。(…よね?)

華恋が駅にいても、水族館にいても、学園の外との交流がほとんど存在しなかった。違和感バリバリですよね。不思議な力の作用する学園という装置が、…だけじゃないんです。きっと。

描写の仕方としては、観客が出てきて、少女の演技に見入って息を呑み…一瞬の後に大歓声!なーんて場面を入れると、演技の凄さがとっても伝わりやすいでしょ?それを捨てても表現したい何かがある。

あと、みんな思ってるけど、キリンは、東京タワーのシルエットにそっくり。だからキリンがモチーフになった、というのも然り。タワーかキリンか、物語の塔か、高い星か、何が最初なのかは見てる我々にはわかることではないですが、見事にリンクしてて気持ちがいい。

ところで、キリンの首が長い理由。より正しい表現をすると、キリンの先祖のなかでも首が長い個体が有利だった、とされる理由は、足が長いのに立ったまま水を飲めるので逃げる時有利なためらしいです。一番高いところを目指すためではなく、足元の、灯台下暗し〜ってところに、本当に欲しいものがあったってわけ。

 

【仕組まれたオーディション】

ピロラリルン ♪ピロラリルン〜♪さあ、お持ちなさい、あなたの望んだその星を。

あのオーディション、最初から仕組まれていますね、絶対。

イギリスでは、ヒカリちゃんが参加するようにキリンとお話ししてたとき、勝者は最初から見てた。

こっちのオーディションでも、ばななのスカウトのされ方は少し違った。もっとも、キリンとばななの見てる眩しいものは同じで、ばななが本当に欲しいものも…実は、度重なる再演ではなかったけど。だって、それじゃあ届かないから。運命の舞台のためにコマが、役者が揃うまで、みんなのばなながリテイクする必要があったのです。

 

【トップスタァと燃料】

オーディションの勝者は、トップスタァになれる。望みを叶えることができる。万能願望機っていうともう聖杯かな?って感じだけど、まぁ発想としては遠いものではないですよね。一人の望みを叶えるために、トップスタァになるために、くべられる燃料とは何か。某聖杯戦争だと、xxを何体以上…みたいな感じだったけど、このスタァライト本編では「キラメキ」「大切なもの」みたいな表現だったと思います。あえて言葉にするなら、憧れ、でしょうか。

思うにトップスタァとは、次元・時空を超えた存在です。

オーディションでは、とりわけ舞台で煌めく覚悟の強い、既に選ばれた少女達から更に選ばれた者を戦わせます。研ぎ澄ませた舞台への思い、互いに高め合う努力の積層、燃えるような焦燥感。ジェットコースターのてっぺん状態に高めた、舞台少女たちの憧れを全て刈り取って、手に入れることができるのは時空を超える力なんだと思います。

トップスタァになれる。時空を超えた存在になる。その力を再演に使ったのがばななちゃんでした。ばななちゃんだけが記憶のあるまま、時間を巻き戻すことができた。時空超えてますね、わかります。

 

【運命の舞台】

珍しくも観客らしい観客として出てきた、幼い頃のヒカリちゃんと華恋ちゃん。彼女らが目撃したのは、運命の舞台でした。それは、華恋ちゃんを守る為にひとり犠牲になって磨り減っていくヒカリちゃんを、華恋ちゃんが救い出すお話。賽の河原で石を積むヒカリちゃんを連れ戻す舞台。ふたりの約束は、強い憧れだったから、運命の舞台で約束された輪になった物語だったから、どんな時でもふたりを支え続けた。一人のものじゃない、二人の間にあるものは、少女にとって一瞬でも永遠でもある、許しと遠い星への強い強い願いと憧れです。そしてそれは、本当は遠い星じゃない。大切なキラメキのもとは本当に身近なところに、お互いの間にあるから、二人は手を取り合って歩むのです。

ま、舞台少女は何度でも蘇るらしいですから。キリンもね。

現実でも同じですね。スタァライトのお話は、アニメだけじゃなく、ゲームや舞台でも演じられる。

 

幾原邦彦だったら…】

いや、ついつい考えてしまうんですけど。あんまり良くないかなーとわかりつつ。

これだけ氏の影響を感じる作品ですから、正直いうと、私は学園なんて全部ぶっ壊して二人が外へ出ていくかと思っていました。蠍の炎に焼かれても、何故か車に変身しちゃっても、意味わかんない学校とか壁の内側なんて抜け出して、ふたりの約束を叶えるために、外の世界へ一歩踏み出すかと。

学年が変わった時に消えた上履きが伏線だと思ってましたよ。違った…。

友達から全てを託され外に出る、あるいは全てを救って自分達が犠牲になる、なんてことしたらお話終わっちゃうし、仕方ないですね。いや、ふつうにそういう話じゃなかったってことだと思いますけど。

少女達は舞台を演じる。舞台に囚われているとも言えますが、それは私たち観客も同じこと。

アタシ再生産は、舞台に立つ為に行うことができる。舞台を降りることは、そもそも彼女達の矜持とは反することなのですね。何度でも何度でも舞台に立つ。どんな舞台でも、ポジションゼロを争いながら、華麗に演じきる。ならば、「外の世界」を求めて学園から出る必要もない。舞台自体が、外の世界に通じているから。

ま、すべてぶち壊さなかったのは大人の事情とかもありそうです。ソシャゲとか展開しづらいし。

 

そんなところです。またなんか考えたらなんか書くかも。

チャオ〜

宇多田ヒカル「俺の彼女」歌詞について

歌詞の引用は極力しないよ。

この文章を書こうと思った理由は、ちょろっと検索して出てくる歌詞の考察の甘さが目についたからです。特に、フランス語の部分。

 

宇多田ヒカルのFantômeというアルバムの2曲目に、「俺の彼女」という曲が入っています。

ちょっと出だしを聞くと、なんかカッコつけた若い男がイキってて、

「俺の彼女は見た目もそこそこいいし俺の仲間からの評判もいいし、なにより女々しく余計なこと聞いてこないんだぜ」

みたいな感じの、ブルースみたいな始まりなんですよね。俺のレとか巻き舌みたいな。宇多田ヒカルの幅広い表現がなせるワイルドっぽい歌い方もはまってて。

で、一転して、透明感のある女の人の声が流れてくるんです。いや、宇多田ヒカルなんだけど。凄いよね…。

「貴方の隣にいるのは、私のはずだけど…本当の私じゃない。面倒に思われたくなくて、演じているの。」

そんな内容の心情が、曲調も歌い方もガラッと変わって切実に描写される。

一方で、また色々あってから男の人のパートになったら、今度は男の本音が出てくる。

「俺は本当は夢がない、つまんない男。彼女もきっとそのうち、離れていくんだ。」

みたいな感じの。この辺になると、曲も盛り上がりで、ブルース感(?)とか低音のベースブンブンだけじゃなくて、女の人のパートの雰囲気とも融合してくる。

で、引用なんですけど、女の人がこう言うんです。

《本当に欲しいもの、欲しがる勇気欲しい。》

《最近思うのよ。抱き合うたびに。身体よりずっと奥に招きたい。招きたい。

身体よりもっと奥に触りたい。触りたい。》

 

しびれる!!!

身体なんかより奥に、物理的な接触なんかより、もっと深く深く招きたい。来て欲しい。もっともっと受け入れたい。本当にわかり合いたい。愛って、そういうことだから、私は、本音で愛したい。私の全てを見せて、私の全てで包み込みたい。そういう渇いた叫びが、囁くように、でも高揚として歌い上げられる。

このへんで、(ほんとはちょっと前にも)突然フランス語が挟まります。まぁ、フランス語は愛を語るのに最も適した言葉だとかなんとか。しかも宇多田ヒカルの発音が本格的なんです。これもたぶん引用します。

《Je veux inviter quelqu'un à entrer

Quelqu'un à trouver ma vérité 》

訳すると、

〈私は誰か…私の「真実」を見つけてくれる人を、入ってくれる人を、招きたい。〉

Je veux〜 はけっこう強めの欲求です。英訳するとI wantって感じなんだけど、ニュアンス的にはどストレートに欲望!!!って気がする。

で、こう続くんです。

《Je veux inviter quelqu'un à toucher

L'éternité, l'éternité

Je veux t'invite》

解釈としては、toucher(触る/動詞/原形)がL'éternité(定冠詞+永遠/名詞)にかかってるかどうかで変わるんですけど。大文字で文頭になってるから、違う文なのかしら…という気持ちで訳します。

〈私は招きたい、触ってくれる人を。永遠に、永遠に…。私は「君を」招くの。〉

Je veux t'invite.が、たくさんの解説で抜け落ちてて、どうしても補足したくなったんです。

フランス語は、動詞の作用する相手を前に持って来る(代名詞みたいな)ことができます。で、「t'」ってのは、母音がぶつかってeが消えた「te」=「君(親しい人に使う二人称)」なんです。

だから、この自称つまらん夢のない男ののことを指してるんです、多分。

大体、女の人からしたら男のひとが夢もなくつまんないよ、俺なんて、って思ってることなんてお見通しですよね、きっと。だからね、女の人は本当に相手のことを愛して、全てを開きたいと思っている。怖くて、強い女を演じてしまうほどに、他の誰でもない「俺」のことを想っているのです。

人とひとが向き合うときの危ういバランスと、愛の深さと、踏み出す一歩を怖がる気持ちと、踏み出したい衝動と、自信と、強さと…人の脆さをさらけ出したすごい歌詞と、それを歌い上げる歌唱力。

そんなことを思いました。

 

 

ふりだしにおちる! 第一巻 感想

満を持して、むっしゅ先生、単行本おめでとうございます!

むっしゅ先生の「ふりだしにおちる!」は月刊電撃大王に連載されてる作品ですね。第一巻単行本化おめでとうございます。

絵が上手い!女の子が可愛い!何よりもコマ割りが、構図が、演出がうまい!さすがです。

いやあ何だろう、手の形とか足のちょこんとした感じとか本当に可愛いよ。女の子のシルエットがとにかく可愛い。何気なくこなしてらっしゃるけど、線の強弱が美しいよ。さり気ない背景もシンプルに上手。なんなの。すごいの。

 

f:id:payapayapon:20180801090857p:plain

前回机の上で写真を撮ったら消しゴムのカスが写ったので今度は自然光を利用してみたけど所詮撮る人がよくないな……。

えっと、そう、なんだろう、漫画の魅力なのかな。とにかく面白いし可愛いんです。でもまあ、ストーリーの内容は、特に無いです。

逆にすごくない??それでも面白いんだよ!!??

……いや、ストーリーは特に無いと言ったけど、さすがにそれじゃ酷いのでちょっと紹介しよう。一言で表すと、「女子高生ぽくない」と妹(中2?中3?)に言われた主人公(高1)が、女子高生らしさを探す話。と、そのお友達の日常的群像劇。

何気ないキャラクター同士のやり取りから百合的関係を感じ取る楽しみ方もできるし、そうじゃなくても、友達同士思いやる女子高生って可愛いなあ、よきよき、って思える。目と目でやり取りする瞬間とか、さり気ない感情とかを丁寧に掬い上げてくれる独特の間が素晴らしい。

あとは、主人公の「青井 鳩」通称はとちゃん、はと、ポッピィの髪の毛の作画ですね!個人的には!黒髪の表現がうまい……。まわりこみの光、ツヤツヤ感、毛先の透け感。そういう作画が丁寧で、毛先をカケアミっぽい処理にしてるとことか、斜線の処理とか、見ちゃうよね〜凝視しちゃうよ〜。

それからそれから、さり気な〜いグラデトーンとかね。発見する喜び?

キャラクターが生きてる

ゼッタイ生きてる。

それぞれの子の個性とか、大事にしたいこととか、描写がとにかく丁寧だから、本当に息をしていて心臓が動いていて体温がある感じがする。ついでに良い匂いしそう……。これがむっしゅ先生の凄いところだと思う。

はとちゃんもさ、女子高生っぽくないことを気にしちゃうあたりの純粋さ?はとちゃんだからこその、素直にまっすぐ優しく楽しくハッピーライフなところ。そういうところがはとちゃんの女子高生っぽさっていうか、良いところなんだよな。まさに、ふりだしにおちる。で、それがちゃんと読み取れるように丁寧に描写がされている。

 

そういうわけで、むっしゅ先生、愛してる!!!

幸福を望む百合アンソロジー Avalon ~bitter~ 感想

百合専門レーベル girls × garden Comics

成年誌ComicExE(コミックエグゼ)の片隅で始まったg×gという百合漫画コーナー。あんまり詳しいことは知らないんですけど、今はWEBに移行して…るのかな、予定?です。百合が大好きな人達の間でだいぶ話題になり、そりゃもうだいぶ話題になりました。

で、そのgxg(公式ツイッター垢)が百合専門レーベルとして発刊した第一弾のアンソロが「幸福を紡ぐ百合アンソロジー Avalon」と、「幸福を望む百合アンソロジー Avalon ~bitter~」なんですなー。超絶話題の作家陣、対になるような美麗な装丁、帯の仕掛け、カバーを取ったらカバー絵のショートストーリー。凝ってりゅ……。

 

f:id:payapayapon:20180730114938p:plain

写真に消しゴムのカス写ってる…ゆるして

好みは…bitterかなあ

んでもやっぱりどっちも好き!!

っていうか作家単位で追ってるので作家さんが好き。特にこの作品のここが良かった!とか挙げると長くなって面倒なのでザックリ感想ですが、bitterは90%(てきとう)ヒット。っていうか、そこまで苦く歪でもない感じでした。あんまりにも酷いことになっちゃうとか超怖いとかは無いです。京極夏彦魍魎の匣』みたいなことは起こりません。安心して。

やっぱり百合の醍醐味*1である感情の濃い描写があるとこう、グッとせまるものがありますね。その点はbitterの方が濃ゆいというか一工夫されてました。それぞれの作品で作家さんが圧をかけて描いている部分が明確で、強かった。

あと金色の表紙のクリムト風な感じとか、好きです。とてもよいです。表紙絵を手がけてらっしゃる切符さんは本当に可愛い女の子のイラストと絵画的部分のバランスが素敵です。

 

この御本たちを読んで、ああ〜〜〜〜好き〜〜〜〜ってなった方々は、是非、「コミティア」に足を運んでくださいませ。

コミティアコミケとは違って、すべて一次創作、つまりオリジナル作品です。しかも、ご丁寧に「百合・GL」のスペースがあるんですよ。そして普通にプロの作家さんたちもいらっしゃいます。同人誌買えます。常に豊作。あ、でも、夢中になりすぎて帰りの交通費まで飛ばしてしまうと、国際展示場から帰れなくなりますから気をつけてくださいね。

*1:個人の見解、百人の百合好きが集まれば百通りの推し百合ポイントがある

アイカツフレンズ!16話感想

16話「みお、勇者になる」

新曲、新衣装だったな〜。フレンズのステージはみんなダイヤモンドフレンズ「LoveMeTear」の黄金に輝くステージを銀色にしたバージョンなんですねー。本当はそれぞれの曲にそれぞれのステージがあると嬉しいんだけど、贅沢は言わない。言わないってば。

振付が凝ってる印象でした。ところどころでキャンバスの縁を四角く描いていたり、ステージの広さをめいっぱい使ってたり、二人が異なりつつ噛み合っている動きをしていたり。かわいい。尊い

ピュアパレットのイメージカラーは、ピンクと水色だけかと思いきや、ピンク&水色&黄色っていうか、CMY?なのかな?パレットだけに。

 

あいねちゃんの抱えるもの

ストーリー的には、あいねちゃんの原点の判明と、みおちゃんのイニシエーションでしたね。

ただ、あいねちゃんの友達を作る勇気はともかく。「友達を100万人作りたい。友達のためなら、何でもしちゃう。友達が困っていたら、最優先で何とかしたい。」……そこまでになるキッカケは判明してない、というかまだまだ隠れていると思っています。

あと印象的だったのは、あいねちゃんがみおちゃんに対して「自分にできることはこれしかないけど」というスタンスだったことかな。「ドレスに詳しくないけど、本当は一緒に作りたい」という気持ちを言えなかったこと。それは、「私じゃみおちゃんの足を引っ張っちゃう」「迷惑かけちゃう」「困らせちゃうかも」みたいな気持ちがあったからだと思う。案外、自己評価低めなタイプですね。

一体何が、あいねちゃんの友達が困ること恐怖症を形作ってきたのか?

あいねちゃんはまだ気づいてないけど、100万人の友達全員を困らせない/助けることなんて可能なのか?100万人に同時に同様にMAXで降り注ぐ愛なんて、存在するのか?アガペーかよ。心の汚れた大人から見たら、それは聖母か神か何かの所業なのではないかと思うけど。「あいね、聖母になる」みたいな?

あいねちゃんには、ちゃんと人間でいてほしいなあ。自己肯定していこ!

 

みおちゃんは、勇者になりましたか。I need youを伝えるときに照れてたの可愛い。みおちゃんが自分から一歩踏み出せたその勇気は物語の鍵になる予感〜。

 

あ、ここまでかいて疲れたので深読みはおわり。